モデルとの対戦
2018年8月某日。
ついこの間卒業したばかりの大学の同窓会へ向かうべく、シジミ県へ足を運んだ。
前日入りしたため、お世話になった方たちに挨拶をして夜はストへ出ることに。
時刻は22:30。
この街の終わりは早い。しかし、田舎のお盆ということもあり多少の賑わいはあった。
居酒屋in。
昔クラスタと行った懐かしの場所だ。
軽く小腹を満たしつつ、カウンターにいたOL2人組と他愛もない会話をした。とくに何もなく店を退出し、駅方面へと向かう。
い「(昨年1年間こんなに人がいない場所でナンパしてたなんてキチガイだな...)」
今となっては犬、獅子、海老など栄えているところで活動しているが、田舎でナンパしていた過去が急に恥ずかしくなった。
い「(ベンチに座ってサージングしよう)」
当時、クラスタと歩き回りながら声掛けしていた時とは違い、都会へ進出したいくたはラクを覚えたのである。
そこへ一人の女性が目の前を通り過ぎた。華奢で色白で周りとオーラが違う。
その女性は僕の方を一瞬見たあと二つ先のベンチに座った。
女性の方へと歩み寄る。
い「すみません、お姉さん周りの人と雰囲気違いますけど一般の方ですか?」
女性「(目を大きく見開き)あ、はい..、一般の人です..」
い「そうでしたか。僕、人を見る目だけはあるんですけどね。自分のことは何も分からないですが(笑)」
女性はクスリと笑った。
※この一連のオープナーは、引退されたキャリーさんが芸能人を即ったときに用いられたものである。どちらに転んでも女性にとって気分がいいと思うので、僕の中では最強のオープナー。
女性「実は、、モデルとかやったりしてます。。全然売れてないんですけどね!」
※以下、モデル子。
モデル子「でも一体何者なんですか(笑) スカウト?(笑)」
僕は、いまの状況を嘘偽りなく話した。
大学の同窓会でこっちに来ていること。
いまは普通の社会人であること。
年齢や出身。 etc...
また、モデル子のいまの現状も聞いた。
詳しくは書けないが、バイトもしつつO坂を中心にモデル活動をしているらしい。
ところどころ会話の火力を上げて時間を忘れさせてあげた。
モデル子が時間を確認したときには時すでに遅し。僕はこの街の電車の時刻表を熟知しているのだ。
い「一杯飲みにいきますか」
モデル子「電車なくなっちゃったしそうしましょ(笑)」
居酒屋in
モデル子「声かけてもらう前、かっこいい人いるな~って思ってたんですよ。だから正直話せて嬉しかったです」
い「いやいや、かっこいいなんて最後に言ったのはおばあちゃんくらいですって」
モデル子「福士蒼汰に似てますよね。下向いたときとか特に。」
顔刺し初めてだったのでちょっと照れた。でも福士蒼汰に似ているなんて1ミリも思ったことがない。
閉店時間になり僕たちは店を後にした。
この街には駅前にラブホテルなどない。
手をつなぎビジネスホテルへ向かう。
い「泊まろっか」
モデル子「嫌。遊ばれて終わりたくない。」
彼女の目には大量の涙がこぼれていた。
しかし自分にとって次いつ訪れるか分からないこのチャンスを無駄にはしたくない。空っぽな脳をフル回転させた。
い「そう思われても仕方ないよね。でもモデル子と出会って数時間だけどいろんな話して心から楽しかったよ」
即数の少ない自分にとってこういう場面はめっぽう弱い。だから意味の通ってない返事をしてしまうのだろう。。
い「おいで」
ほどかれた手を再びつなぎテルーホイン。
そこからはグダも発生せず即。服を脱いでも小柄で華奢だった。
※写真はイメージです。
翌朝。
2人はチェックアウトギリギリまで滞在して何事もなくホテルを出た。
モデル子「またね!」
この言葉はいまでも僕の耳に残っている。
いつどこで何が起こるかなんて誰にも分からない。しかし、あのとき声をかけていなければモデルと枕を交わすこともなかった。
ナンパには夢があると再確認した一日だった。
クラスタ入りして1年と数カ月。まだまだ凄腕の方たちには足元にも及ばないが、僕なりのやり方で「自分」を形成していこう。